『ある春の命の物語 第4章』





2002.4.12〜 ( 金〜 )


・ママツバメは相当真剣なおももちで巣にこもっていたが、
やはり、昼間のあいだ、ちょくちょくバっくれてしまう。

時にはその辺をぐるりと一回り、ひとっ飛びして、巣の中に座りなおしたりする。

そりゃずっと座ってたらそこかしこが凝ってきちゃうのだろう。
文字通り、時々羽根をのばしているのだろう。

パパツバメは相変わらず、夕刻の縄張りソングを欠かさない。


2002.4.27 (土 )

・抱卵を抱え始めてそろそろ2週間になる。
この日、巣にたたずむママツバメがなにやら…
お腹の下が もそもそしているような風な…


だって、2週間だし!!もしかして!!

ツバメミラー、再びスタンバイ。
ママのお出かけをひたすらに待つ。

そしてチャンスが訪れた。

行けーー!!



あーーーーーーっ!!!!
出てるーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!!

3こ出てる!!!!!!!!!!

これまた、ちんまい!

赤いや。

とてもじゃないが、まだツバメじゃない。
ツバメどころか鳥とも言いがたい。

これが夏には空を飛び、秋には海を越えるだなんて、
おっそろしいことだ。信じがたい。



・3羽が孵り、残りがまだってことは、この3羽も出てきたばかりじゃなかろうか。

なんか、みんな下向いちゃって、ひこひこと細かく動いている。
くたびれ果てているようにも見える。

お疲れサマ。
ママもパパも。

しかし、本当にお疲れサマなのはこれからである。


2002.4.29 (月 )
孵化から3日目

まず気になったのは6個がちゃんと6羽になったのかどうか。

大活躍のツバメミラー。



ごちゃっとまとまってて1羽ずつの境い目が分からぬ。

ただ、3羽よりは増えているのは確かで、残ったタマゴも見当たらない。
さらに、注視してみると、


の部分を脳内のビジョンで拡大 →



極小テバ、発見。
1センチにも満たない赤ハゲ手羽。

鳥の子はみんなこうだ。

ニワトリのひよこだって、あの子っちは産まれたばかりで毛が生えてるし、
歩けるし、走れるし、ぴーよぴーよ鳴けるし、自力でごはんが食べられるけど、
手羽はこんなだ。

ふざけている。

ペンギンなんか、オトナになっても形はこうだ。

そして、ツバメベビーの超ミニ手羽は、感動的なフォルム。

だって。
例えば、小鳥のたぐいだと、文鳥とかインコなら

こうなのに、
こいつらちゃんと、
こうなんだもん。

とてもじゃないけどツバメじゃない、と思ったら、
もののみごとにツバメだった。

さぁとうとう赤ちゃん誕生というエリアに投入したツバメ家の事情。

こうして、物語はさらにさらに
第5章へと続いてゆくのかな?



つづく



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