『 ある春の命の物語 第 17 章 』
毎年春になればツバメが帰って来る。
当たり前のように帰って来る。
以前はとくに日付けまでは気をつけていなかったので
帰ってきたツバメをみては
「あー、今年も春が来た…」と思うくらいであった。
「暖かくなってきて、ツバメが来て、桜が咲いて、たんぽぽが咲いて春を知る」
というパターンだったのが、
「桜や桃もたんぽぽも色んな花ももうすぐ咲く。もうじき春が来る、
春が来るからツバメも来る」
といった、アリ様になってきた。
気が付かない内にいつも来ていてくれたものを
テグスネ引いて待ち伏せするような、
心配しなくてもちゃんと来てくれるのに
まだなの?まだなの?と催促しまくるような。
果たしてツバメはいつになったら来てくれるのか。
一番きがかりなのは
の巣を今年も使ってもらえるのかどうかという点である。
そして……………
2003年 3月29日 (土曜)
の巣の付近に
待ち焦がれていたツバメが…
遂に帰って来た。
のを、私が見たのは29日だったが、
実際には前日(28日)の朝あたりからあの巣の辺りを飛びまわっていたそうである。
早速、午後に他の巣も見て周ってみると、
の巣のすぐ近くの電線にも
ご夫婦で飛びかっている姿を見かけた。
が、この二組以外は見つける事が出来なかった。
これは実に興味深い。
と
は、昨年も他の巣に比べてヒナの育ち方が早かった。
やはり、同じ個体だから、帰って来る時のも早いのだろうか。
付近に帰ってきたツバメはコチラの巣を修復することはなく、
どうも
の方で、リフォームを始めているようなのである。
戻ってきたツバメは、改築工事をせっせと進めていたが、
時々2羽で並んで電線に留まってあたりを一緒に眺めている風でもあった。
ダンナさんはナワソン♪(縄張りソング)も時々歌っていた。
何とも仲よさそうに、これからしばらくの大仕事にむかって
意気揚揚としている風にも見える。
こちらでは昨年の事を未だに懐かしげに思い出しているが、
彼らはもうとっとと未来に向かってバク進しているのである。
3月31日(月曜)午前0時過ぎ。
他のツバメが戻っていないか、
先に戻っている二組のつがいはどこで寝ているのか
また周って見た。
はリフォームもそろそろ完成した模様の大きめな巣に
2羽とも入って寝ているように見えた。
の方は…
なんと
の昨年のままブッ壊れたままの
残骸の巣に2羽で留まって眠っていたのである!!!
(羽もぐで!)
これはやっぱり…???
このツガイが昨年もここの巣を使っていたツバメだとすると
2002年の話 ( 『 第15章 』 ) で推察したように
昨年(2002年)に
と
で 子育てしていたのは同一のツバメ夫婦だったと
考えてよいのだろうか。
この日、ツバメに続いてこのあたりで今年初めてのキジバトを見かけた。
くるっくる〜などと言いながら電線にとまっていた。