『ある春の命の物語 第6章』





2002・5・8〜10 ( 水〜金
孵化から12〜13日目

・産まれたばかりの小さい赤いウニャウニャだった頃は、
いったいこれがどうやってツバメの形になっていくのだろうと思ったが、

いや、ツバメの形になるのは信じてやってもいいが、
そこまでたどる経路がどんなもんなのか、

それが、だいたい半分くらい検討がついてきた。



ノドの下が赤茶っぽくなってきた。
そして、胸は両サイドから白っぽくなってきた。

翼はかなり早い頃から
黒い羽根が徐々に伸びているのが見えていたけど、
ママやパパの、あのきれいな「黒、白、赤 」の3色のうち、
残りの2色がどこから出てくるのかと思ったら、
ようやく見えてきた。

2002.5.11 (土 )
孵化から15日目

・目に見えて昨日と今日の違いが分かるほど、
タイヘンなスピードで、彼らは育っていく。

この日、どんな姿になっていたかというと、



うどっち?

・その昔、『たまごっち』なるものが流行った。
当然購入して、今でもどこかにしまってあるが、
何度かトライした所、何故か、『うどっち』になる確率が高かった。

だからといって、成長を見守っていたツバメまで『うどっち』だなんて。



胸の両サイドの白は昨日の今日で既に、
胸の真ん中でドッキングしそうな勢い。

ほんの微風にもそよそよなびくワタボコリのような羽毛は
頭のてっぺんを始め、そこかしこに残っている。

「でこ 」はまだ白っぽく、
口の横っちょも当然白い。


口の中がヤケに黄色い。



・これだけ猛スピードで育つという事は
それだけの食べ物を親が毎日食べさせてくれているという事だ。

舞い戻ってきた親をみると、
もとからスレンダーなボディーはさらに
シャープにとんがってしまっていた。

頭が下がる。




2002.5.12 ( 日 )
孵化から16日
うどっちアタマは1日だけだった。
翌日には頭全体が黒っぽくなっており、安心した。


2002.5.13 (月 )
孵化から17日

すっかり全体のプロポーションも
ちゃんとした鳥らしく、少なくともツバメ以外の鳥には
見えないであろう程、ツバメ的にはなってきた。

なにしろ、

デコが赤くなってきたのがいる!

まさしくツバメの顔だ。



巣立ちの日もそう遠くないだろう。
後どれくらいで飛べるようになるのだろうか。

それは第7章にて、多分。


つづく




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